■“造反”対策
昨年末以降、米倉涼子、岡田結実、忽那汐里(くつなしおり)ら看板タレントの退社が相次ぐオスカープロモーション。今度は藤田ニコルの名も浮上するなど、“離脱予備軍”は数多くいると言われている。栄華を誇った「オスカー帝国」が崩壊の道を辿るなか、登記の変更や古賀誠一会長(80)の資産の切り売りなど、内部で“異変”が起こっているのだ。
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オスカープロモーションの商業登記に異変があったのは先月半ばのこと。
その内容に目を通すと、〈令和2年7月17日〉に〈株式の譲渡制限に関する規定〉が変更されている。
具体的に言えば、〈当会社の株式を譲渡するには“取締役会”の承認を得なければならない〉というこれまでの規定が、〈“株主総会”の承認を得なければならない〉に書き換えられた。
この変更にどんな意味が込められているのか。
税理士の浦野広明氏による解説はこうだ。
「変更前の規定では、取締役の半数以上が出席する取締役会で、過半数の賛成がなければ株式の譲渡は成立しませんでした。それが株主総会の承認だけで済むようになったわけです」
オスカーは非上場なので、株主構成は不明ながら、「株式の大半は古賀さんが、残りを奥さんや長女の幸子さんが保有していると聞きます」(芸能関係者)。そのため、
「規定の変更で自ずと古賀会長の議決権が強化されます。その背景には、取締役による“造反”対策の意味もあるのではないか。今後は株式の譲渡に関して古賀会長の意に反する決定がなされるのを防ぐことができる。また、役員たちの知らないうちに株主総会を開いて彼の株式を堀氏(古賀会長の娘婿で専務取締役の堀和顕氏)に譲渡することも可能になります」(浦野氏)
■会長の個人資産を売却
オスカーを巡る“変化”はそれだけではない。
4社ある関連会社のひとつ、オスカーインターナショナルエージェンシーの解散もその一例。古賀氏が代表を務めたこの会社は、昨年11月に“清算結了”と登記されている。
「イベントや展示会にコンパニオンを派遣するのが主な事業で、かつては古賀さんの実弟が取り仕切っていました。ただ、最近はオスカープロモーション本体のモデル部門がそうした事業を手掛けるようになり、インターナショナルの存在感は薄かった」(先の関係者)
会社を清算すると、その資産は現金化した上で株主に分配される。無論、古賀氏の懐にも入るはずだ。
さらに取材を進めると、古賀氏のかつての自宅が今年6月に売却されていたことも分かった。目黒区内の高級住宅地に建つ豪邸は、
「約150平方メートルの土地だけで1億2千万円はくだらない。建物を合わせれば2億円近い値がつくはずです」(不動産業者)
関連会社を清算し、不動産を売却した理由について、国税庁OBの鈴木修三税理士はこう指摘する。
「企業に対して、銀行が常に融資を快諾してくれるわけではない。いまはコロナ禍で大変な時期でもあり、資金繰りに窮しているところも多い。そうした状況下で企業が“万が一の水瓶”を売って当座をしのぐことは珍しくありません。古賀氏が個人の資産を現金化し、会社に貸しつけ、運営資金にしているとも考えられます」
オスカーもコロナ禍の影響は免れず、「昨年比で売り上げは3〜4割ダウンしていると聞く」(先の芸能関係者)というから、「帝国」が存亡の機に直面しているのは事実。古賀氏が“万が一”に備えて保有していた資産を切り売りしたとしても何ら不思議はない。
とはいえ、今回の窮地を脱しても、オスカーの先行きが安泰かと聞かれれば、そこには疑問符がつく。
■「家」の存続
ここまで述べてきた古賀氏の行動からは、「家」を守るため、愛娘の夫に事業を継承させたいとの思いが伝わってくる。
だが、先の芸能関係者が続けるには、
「古賀さんと堀さんでは仕事に対する姿勢が違いすぎます。古賀さんは昔から情に厚く、タレントでも芸能記者でも見どころがあると思えばすべてを曝け出して付き合ってきた。ワンマン経営者なのは事実ですが、その情熱には惹かれるものがあった。何事にもビジネスライクで、そもそもエンタメ事業への熱意や愛のない堀さんとは正反対です。娘婿とはいえ、本気で堀さんを後継者にしたいと考えているのなら首を傾げざるを得ません」
古賀氏の人柄を表すエピソードを、民放幹部が振り返る。
「ある記者が古賀さんから青山の会員制日本料理屋に呼ばれた時のこと。そこで紹介されたのが若き日の菊川怜と米倉涼子だった。古賀さんはその席上で“こっちは東大の先輩に下着の中に手を入れられたところまでで身持ちが堅い。そっちは男と遊ぶのが大好き。どっちがお好みですか、いい方を応援してください”と言ってきたといいます。芸能プロの社長がそこまで明け透けに話すなんて当時でもセクハラですよ。ただ、タレントふたりは嫌な顔ひとつしなかったそうだから、古賀さんが彼女たちといかに深い信頼関係を築いていたか分かるでしょう」
他には、こんな逸話も。
「C.C.ガールズが人気絶頂だった頃、青田典子のスキャンダルを巡って、芸能記者と古賀さんがやり合ったことがあった。青田は“絶対やめて!”の一点張りで、古賀さんも激しく記事のお蔵入りを求めてきた。ただ、その記者は“ところで古賀さんはよく青田さんの自宅に行ってますよね?”と切り返した。ふたりが男女の仲だったのは知る人ぞ知る話。それを聞いた古賀さんは青田に電話して“青田、ムリだ。今回ばかりは止められない”って。でも、面白いのは記事が出た後でね。古賀さんはその記者を食事に誘ったそうなんだ。怒鳴られるのではと身構える記者を前に、古賀さんは青田がメンバーだったC.C.ガールズをどうやって売って行くか熱心に語り始めたそうだ。彼女に失地回復させたいという思いと、スキャンダル記事を書いた相手まで取り込もうとする姿勢に記者も舌を巻くしかなかった」(同)
そうした古賀氏の性格はいまも変わらないようで、
「局に請われ、テレビドラマに人気タレントを出演させるバーターとして、お手付きが噂される30代の女性歌手や20代半ばのモデルを脇役で押し込むのは知られた話です。一本立ちできないタレントでも慕われれば面倒を見る。それも古賀さんらしさです」(同)
コンプライアンスばかりが重視される世の中ではいっそ清々しい豪快伝説だが、それでも、カリスマ創業者は皆に愛され、これまでタレントや社員が大量離脱するようなことはなかった。
だが、それも今は昔……。「愛された創業者」のもとからどんどん人心は離れつつある。
「週刊新潮」2020年8月13・20日号 掲載
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August 20, 2020 at 08:56AM
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