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記憶をつなぐ・戦後75年:/2 田辺海岸に7の洞窟 水上特攻艇「震洋」基地跡を保存 NPO法人・原健二理事 /和歌山 - 毎日新聞

洞窟に設置した特攻艇「震洋」の模型の前に立つ原健二理事(右)と白井慶さん=和歌山県田辺市新庄町の震洋鳥ノ巣平和公園で、後藤奈緒撮影

 田辺市新庄町の海岸の岩場に、高さ約2メートル、横幅約3メートルの洞窟(どうくつ)がぽっかりと口を開けている。奥行きは10~20メートルで、全部で7カ所。第二次世界大戦末期、旧日本軍が掘ったものだ。

 それぞれの洞窟にはベニヤ板で造られたボートが配備されるはずだった。水上特攻艇「震洋」。操縦する人間と爆薬を乗せ、海岸近くに侵攻してくる敵艦に突っ込むためだけに造られた。終戦を迎えたため、作戦は実行されなかった。

 「この辺は民家も少ないし、当時は道もない。波も静かで軍にとってはちょうど良い場所だったと思う。ここからお粗末な船で命を投げ出すという、とんでもない作戦が考えられた。めちゃくちゃやろ」。NPO法人「震洋鳥ノ巣基地跡保存会」の原健二理事(89)は話す。「こんなところに特攻の基地が造られたことを知っている人は少ないと思う。誰かが伝えていかないと、忘れ去られる」。そう懸念する。

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August 13, 2020 at 05:39AM
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