
堺市の定時制高校で、余った給食のパンと牛乳を4年間にわたり持ち帰っていたとして、堺市教育委員会が12月25日、男性教諭(62)を減給3ヶ月の減給処分にしていたことがわかった。
この職員は同日付けで依願退職した。
この給食は、生徒向けに公費で支給しており、教職員が食べることや生徒が持ち帰ることは禁止されていた。この男性教諭は、「捨ててしまうのがもったいなかった」と話し、自宅で食べていたという。
市教委は「衛生上の問題というよりもルール違反であり、周りに示しがつかないので、一罰百戒とした。適切な処分だと考えている」としている。
一方で、市教委のもとには「食品ロスが問題になる中、懲戒処分はやり過ぎだ」という声も多く届いている。
学校給食衛生管理基準で持ち帰りや翌日の利用は禁止を指導
市教委によると、この給食は、「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」に基づき、同市が生徒向けに公費で支給している。午後9時まで授業があるため、空腹で授業で集中できなくなるのを防ぐ目的だ。
同校では、夜間授業の2限と3限の間の午後7時10分から20分の間に、調理パンと紙パックの牛乳を決まった場所で食べることになっており、その部屋から持ち帰ることは禁止されていた。
毎日70〜100食程度、支給されていたが、日によっては30食ほど余ることがあったという。この男性教諭は給食指導担当となった2015年から、廃棄処分を担当する用務職員に余ったパンや牛乳を保管しておいてもらい、持ち帰っていたという。
文部科学省の学校給食衛生管理基準「残食・残品」の規定では、
- 児童生徒に対して,パン等の残食の持ち帰りは,衛生上の見地から禁止することが望ましい。
- パン,牛乳,おかず等の残品は,全てその日のうちに処分し,翌日に繰り越して使用しないこと。
としており、市教委もこの内容を毎年、各学校に通知している。この男性教諭も持ち帰りが禁止されていることは把握していたはずだという。
今年6月、「ルール違反ではないか」と匿名の通報があり発覚。本人に事情を聞いたところ、持ち帰っていたことを認めた。4年間でパン約1000個、牛乳4200本を持ち帰っていたという。
相当額を市に返還、「指導よりも、懲戒処分」と判断
本人は処分を受けた12月25日付けで依願退職すると共に、持ち帰ったパンと牛乳相当額の約31万円を市に返還することを自分から申し出、市も受け取った。
同市では、廃棄処分が決まっていた食品のため「窃盗には当たらない」と判断したが、「ルールに違反した非違行為」として、指導に留めず、減給の懲戒処分にすることを決めた。男性教諭は過去に服務上の問題を起こしたことはなかった。
堺市では1996年に学校給食で4人の小学校児童が死亡した腸管出血性大腸菌o-157による集団食中毒事件が発生しているが、今回の処分にこの事件は影響していないという。
市教委教職員人事課の志波政宏・課長補佐は「無添加で防腐剤も入っていないパンであるが、衛生基準上の問題ではなく、教員がルールに違反したことを重んじてこれぐらいの処分が相当だと判断した」という。
ただ、「昔は余った給食を持ち帰っていましたし、私が学生だった数十年前は同じ学年の子どもが休んでいたら持って行ってあげたり、持ち帰ったりしていました。しかし、文科省が持ち帰りを禁止するルールを作っている以上、それと異なることをするわけにはいかない」と話す。
この処分が報道されてから、市教委には一般からも問い合わせの電話が相次いでおり、「食品ロスが問題となる中、食品を無駄にしないように持ち帰っていた教員に対し、懲戒処分は行き過ぎだ」という声が半分近くにのぼっているという。
志波課長補佐は「仕事の状況で休む生徒が予測できないところがあるが、食品ロスを防ぐために適正な発注ができるよう検討したい」としている。
環境省の調査によると、小中学校の児童・生徒1人当たりの年間の給食廃棄物発生量は2013年度で17.2キログラムと推定されている。
2019-12-26 06:48:00Z
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