<宇宙全体の銀河やブラックホールが発するX線を捉えたイメージ画像を、ロシアとドイツが共同事業で作成>
地上からの望遠鏡では観測が困難な、高エネルギーのX線によって天体を捉えた、画期的な「X線宇宙マップ」を研究グループが公開した。 【動画】ロシアとドイツが共同事業でX線宇宙マップを作成 このイメージ画像は、昨年7月にロシアとドイツが共同事業で打ち上げた宇宙望遠鏡「Spektr-RG」に搭載されたX線観測装置「eROSITA」が、182日間に渡って収集した観測データをもとに、初めて宇宙全体のマップが作成された。 マップには、これまで観測されたものの2倍にあたる、100万以上のX線天体が描かれている。 「今回の全天イメージは、エネルギーに満ちた宇宙の見方を完全に変えた」と、独マックス・プランツ地球外物理学研究所(MPE)のペーター・ブレデールは声明で述べている。「詳細まで可視化され、このイメージの美しさは本当に見事だ」 <中性子星同士の融合も確認> 多くの天体は、高エネルギーの電磁放射線であるX線を発しているが、「eROSITA」による全天マップは、これまでの光学望遠鏡や電波望遠鏡によって作成されたマップとはかなり異なっている。 マップに示されたほとんどのX線天体は、「活動銀河核」と言われる巨大なブラックホールで、周囲の物質や広大な銀河団を飲み込んでいる。これらの多くが、以前には特定されたことがないブラックホールだ。 その他にも、地球がある銀河系の高温ガスの構造や、銀河系と近隣の銀河で起こったスーパーノバ(超新星)爆発の残骸(大マゼラン雲、小マゼラン雲など)をマップで見ることができる。 さらに、今回の観測で様々な、まれにしか起こらない珍しい現象が確認された。巨大な天体の非常に高密度な残骸である中性子星同士の融合や、ブラックホールに天体がのみ込まれるといった現象で、いずれもX線を放出する。
<宇宙の最初の構造を解明?>
「この天体マップの完成を待ち望んでいた」と、MPEの研究者マラ・サルバートは声明で語っている。「天体の多くの部分はすでに多くの波長で観測が行われている。今回のX線観測はそれらに匹敵するデータだ。過去の観測結果と合わせて、X線天体を特定し、その性質を解明したい」 研究チームによると、今回のような詳細なX線観測は、宇宙の膨張と、膨張を加速させる謎の力として知られる「ダークエネルギー」の解明に役立つという。今後3年半に渡って「eROSITA」は全天の観測を続け、今回と同様の宇宙マップを7回作成する予定だ。 「わずか半年で100万の天体を捉えた『eROSITA』は、X線天文学に革命を起こした。しかしこれはまだプロジェクトの幕開けに過ぎない」と、MPEの高エネルギー天体物理学研究チームのリーダーを務めるキルパル・ナンドラは声明で語っている。 「我々はすでにこれまで可能だったレベルよりも相当に多くの、宇宙に関するデータを収集した。今後数年間で、さらに進んだ調査を行うことが可能になり、最初の宇宙の構造や超巨大ブラックホールの形成について解明できるようになる」
アリストス・ジョージャウ(科学担当)
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July 10, 2020 at 03:14PM
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