
2020/06/29 11:05 ウェザーニュース
除湿剤が湿気を取る仕組みや、効果的な使用方法、置き場所について、各種の除湿剤などを製造・販売している総合化学メーカー・エステーにお話を伺いました。
使い始めの除湿剤の容器には、白い粒が入っています。これは『塩化カルシウム(CaCl2)』という薬剤で、空気中の水分に触れると化学反応を起こして溶け始め、最後は液状になる性質をもっています。この仕組みを利用したのが除湿剤です」(エステー)
塩化カルシウムは除湿剤のほか、道路の凍結防止・融雪剤や食品添加物のほか、豆腐の凝固剤にも使われているそうです。
「使い終わった除湿剤の容器にたまった液体は、水のように見えますが、アルカリ性の塩化カルシウム水溶液です。一度液体化した塩化カルシウムは再利用できませんので、注意してください。たまった液体は必ず、水と一緒に排水溝に流してください」(エステー)
除湿剤の素材として、シリカゲルや生石灰を思い浮かべる人も多いと思いますが、現在では塩化カルシウムが家庭用除湿剤の主流となっています。その理由はなぜなのでしょうか。
「生石灰は自分の重さの30%、シリカゲルは50%の水分を吸着するのに対し、塩化カルシウムは3~4倍もの水分を吸着することができます。そのため、塩化カルシウムを素材とする除湿剤は、家庭内でもとくにクローゼットや押し入れなどの広い空間に最適な製品といえます。

除湿剤には、引き出し・衣装ケース用、くつ・下駄箱用、ふとん用など、さまざまなサイズのものが用意されています。また、タンクタイプのほか、詰め替えができてごみを減らせるタイプや、パックタイプのものもあります。さらに、除湿剤に備長炭と活性炭を特殊配合し、湿気を取ったうえに脱臭効果も加えた製品もあるそうです。
「湿気を吸うと容器に水がたまる置き型タイプのほか、ゼリー状に固まるシートタイプもあります。広いスペースには置き型タイプを、収納ケースや靴の中などスペースが小さな場所にはシートタイプの除湿剤が便利です」(エステー)

「湿気は、空気がよどんでいるところにたまりやすい傾向があります。空間のなかでは上より下、真ん中より四隅にたまりやすいのです。したがって、クローゼットであれば床、靴箱なら最下段に置くのが効果的です。
除湿剤の効果のみに頼らず、着たものをすぐにクローゼットにしまうのではなく、一晩クローゼットの外でハンガーにかけておいてからしまうといった工夫も効果的です。また、衣類を詰め込み過ぎないことも大切です。取り出すのが大変なほど収納していると、空気が循環せず湿気がこもってしまいます。湿気を吸収した衣類に対しては、吊り下げるタイプの除湿剤が有効です。
脱いだ靴も、すぐに下駄箱にしまわず、一晩外に出しておきます。下駄箱にしまうときには、靴用の除湿剤を中に入れておくと、より効果的です。また、除湿剤は、クローゼットでも下駄箱でも、扉を閉めて密閉した状態で使用してください」(エステー)
使う場所によって適切な除湿剤を選び、湿気とかびの予防に努めましょう。







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June 29, 2020 at 09:15AM
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