
日米同盟下で両国が連携体制の構築を急いでいるのが宇宙、サイバー、電磁波といった新領域だ。陸海空を含む軍備のネットワーク化が進む中、敵の通信網の混乱やレーダーの無効化は戦力に直結し、中国が特にこの分野で急速に能力を高めているとされる。「20年遅れている」(首相官邸幹部)という日本は、新たに専門部隊を編成し、対処能力向上に当たる。
「『航空宇宙自衛隊』への進化も夢物語でない」。こう語った安倍晋三首相の肝煎りで、航空自衛隊は2020年度に「宇宙作戦隊(仮称)」を20人規模で新設する。23年度に人工衛星などによる宇宙状況監視(SSA)を始め、宇宙ごみ(スペースデブリ)と衛星の衝突回避や、悪意ある衛星からの電波妨害攻撃の防御策を研究する。将来的には100人以上に組織を拡大する。
空自は米軍との衛星情報共有や、電波妨害への共同対処なども想定し、具体的な運用に関する協定の策定作業を続けている。米軍の隊員養成プログラムや多国間机上演習に要員を参加させ、人材育成も進める方針だ。
サイバー分野でも協力は進む。日米両政府は昨年の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で、日本へのサイバー攻撃について、対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の対象とすることで一致した。
昨年12月、陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都など)で行われた日米共同指揮所演習「ヤマサクラ77」には陸自約5000人、米軍約1600人が参加。サイバー攻撃への共同対処訓練として、ファイアウオールの抜け穴の検知や、攻撃元の特定、反撃時の日米の役割分担を確認した。
米国防総省は18年の国家防衛戦略で、中国との国家間競争の時代に入ることを強調した。「脅威認識を共有した」(外務省幹部)ことで、新領域での統合運用は今後も進みそうだ。
【了】
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January 18, 2020 at 03:20PM
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宇宙・サイバーで連携急ぐ=日米、中国の脅威に対応―日米安保60年 - 乗りものニュース
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