米ボーイングの宇宙船「スターライナー」は22日、ニューメキシコ州の砂漠地帯への着陸に成功した。しかし、国際宇宙ステーションに接続できず、無人の試験飛行自体は失敗に終わった。
自国の有人宇宙船の復活を目指す米航空宇宙局(NASA)はボーイングとイーロン・マスク氏率いる米スペースXに開発を委託。スペースXは3月に宇宙船「クルードラゴン」の無人試験飛行を成功裏に終えている。
スターライナーは20日にフロリダ州から打ち上げられたが、時間を管理するシステムの不具合によって、国際宇宙ステーションに接続するために必要な軌道に到達できなかった。ボーイングの宇宙部門の責任者、ジム・チルトン氏はシステム内のタイマーが11時間進んでいたため、燃料の燃焼が早くなりすぎたと説明した。
ただ、パラシュートとエアバッグを使った着陸が成功したことにボーイングとNASAの職員らは安堵の声を漏らした。
チルトン氏は22日、記者団に「きょうは最高の結果だった」と指摘。また、2020年にスターライナーの有人飛行を行うという計画について、実施可能かどうかを判断するために専門家が向こう数週間で今回の無人飛行のデータを分析する必要があると述べた。
有人飛行が目的の米国製のカプセル型宇宙船が地上に着陸したのはこれが初めて。
スペースXのクルードラゴンを含め、過去の宇宙船は全て海に着水している。一方、ロシアのソユーズ宇宙船や中国の過去の有人宇宙船は地上に着陸している。
既に退役した米国のスペースシャトルは大型飛行機のように滑空して着陸していた。
[ワシントン 22日 ロイター]
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