朝鮮労働党の中央委員会総会で報告する金正恩氏=朝鮮中央通信・ロイター
【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は29日、朝鮮労働党の中央委員会総会が28日に招集され、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が国家事業全般に関する報告をしたと伝えた。会議は続くとしており、内容は報じていない。米国との非核化交渉の行き詰まりを受け、対外政策や核開発を巡る新たな方針を打ち出す可能性がある。
同通信は総会の目的を「国家建設と国防建設で提起される重大な問題を討議する」と報じた。内外の情勢変化を踏まえ「我が国の戦略的地位と国力を一層強化するための闘争路線を示す」としている。報道は総会の様子にも触れ、出席者が金正恩氏に向けて万歳の声を上げた後に「金委員長の歴史的な報告を注意深く静聴している」などと伝えた。
米朝協議が停滞するなか、北朝鮮は年末が交渉の期限だと一方的に主張。12月には2度にわたり大陸間弾道ミサイル(ICBM)のエンジン燃焼試験とみられる実験をするなど挑発的な姿勢を強めた。22日の朝鮮中央通信は、金正恩氏も出席する中央軍事委員会拡大会議が開かれ「自衛的国防力発展のための核心的問題」を討議したと報じていた。
金正恩氏は2018年4月の党中央委総会で核実験やICBMの発射中止を表明し、経済建設に注力する路線に転換すると宣言した。しかし、19年の新年の辞では米国が制裁を続ける場合は「新しい道を模索せざるを得なくなる」などと主張し、米国が譲らなければ再び方針を変える可能性を示唆していた。
党の中央委員会総会が開かれるのは19年4月10日以来。金正恩氏はこの時の報告で「自力更生と自立的民族経済は、革命の存亡を左右する永遠の生命線だ」と訴え、長引く制裁への備えを説いていた。ラヂオプレスによると、総会が1日で終わらなかったケースは1990年1月以来で約30年ぶりという。
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2019-12-29 04:03:25Z
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