スポーツ庁は23日、小学5年と中学2年の全員を対象にした2019年度の全国体力テストで、全8種目の合計点の平均値が小中とも前年度より下がったと発表した。特に小5男子は08年度の調査開始以来最低。同庁などはスマートフォンの視聴時間増加といった生活習慣の変化や、猛暑で屋外での運動をしにくくなったことなどが複合的に影響したとみている。
調査は4~7月、小5約105万人と中2約96万人を対象に実施。50メートル走、握力など8種目の実技のほか質問紙調査で運動時間などを聞いた。
合計点(80点満点)の平均値は小5の男子が53.6(前年度54.2)、女子が55.6(同55.9)、中2の男子が41.6(同42.2)、女子が50.0(同50.4)で、いずれもここ数年の改善傾向が天井を打った。女子より男子の低下幅が大きく、小中とも18年度に過去最高だった女子の水準は依然高い。
各種目の記録の平均値を見ると、小5の男子は握力、50メートル走、ソフトボール投げが過去最低。女子はソフトボール投げが過去最低だった。
中2の男子は握力、持久走1500メートル、20メートルシャトルラン(往復持久走)、ハンドボール投げが過去最低。長座体前屈は男女とも過去最も良かった。
全体に20メートルシャトルラン、持久走、50メートル走の落ち込みが目立つ。合計点に応じて5層に分けると下位2層の割合が前年度より増えた。
質問紙調査ではテレビ、ゲーム機、スマホなどの映像の視聴時間が増える傾向が浮かんだ。視聴時間が2時間以上の割合は小5の男子で59.1%(前年度比1.7ポイント増)、女子で46.7%(同0.4ポイント増)。中2の男子は63.5%(同1.7ポイント増)、女子は60.3%(同1.4ポイント増)だった。視聴時間が3時間以上の層は体力の合計点が平均を下回った。
「1週間に7時間以上運動する」と答えた割合は低下。特に男子は小5で51.4%(同2.6ポイント減)、中2で82.1%(同1.8ポイント減)と顕著に下がった。女子は小5で30.0%(同0.6ポイント減)、中2で60.4%(同1.1ポイント減)。
小中、男女とも15年度ごろまで低下傾向にあった肥満の割合が再び上昇した。小学生は「朝食を食べない日もある」と答えた割合が男子14.5%、女子15.0%でともに同1ポイント前後増えた。
調査に助言する有識者会議の委員長を務めた中野貴博・名古屋学院大教授(発育発達学)は「子どもの体力が1980年代のピーク時まで戻るのは難しいと考えていたが、今回の低下は予想以上。原因の検証が急務で、早めに対策を取るべきだ」と指摘。その上で「推測だが生活習慣全体の悪化に加え、近年の暑さは無視できない。猛暑の夏にはほとんど外で遊びや運動ができない現象が生じている」と話した。
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2019-12-23 05:00:00Z
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